「2025年問題」や「新総合事業」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。
2025年(令和7年)、団塊世代全員が後期高齢者(75歳以上)になると言われています。日本社会全体は未曾有の事態に陥ると危惧されており、「2025年問題」と呼ばれています。
「新総合事業」は、「2025年問題」を見据えて2017年(平成29年)から開始された介護保険の新制度で、この新総合事業によって要支援などの介護度が比較的軽度な高齢者は、介護保険サービスから徐々に切り離されることになりました。各自治体は、介護保険サービスが受けられない高齢者に対し、互助、つまり住民のボランティアをベースにフォローする手立てを構築していかなければなりません。
以前に別の市で勤務していた頃、市の介護支援専門員協会から訪問リハビリについての講演依頼を受けました。拙い講演にもかかわらず多くの介護支援専門員(ケアマネジャー)が参加してくださいました。
この講演をきっかけに、私も介護支援専門員協会の勉強会にたびたび参加し、意見交換を交わしながら多くのケアマネさんとの繋がりを深めていきました。その中で、自治体やケアマネジャーが「新総合事業」と「地域住民(利用者様)」とのはざまで多くの苦悩・ジレンマを抱えていることを知りました。ケアマネジャーや自治体と連携して、多職種による幅広い自立支援を構築しなければならないと感じました。
2017年に、市から自立支援のための会議のアドバイザーを務めて欲しいという依頼を受け、勤務先の病院から許可を得て2年間アドバイザーを務めました。まずは、ケアマネジャーのケアプランの精度を多職種が協同する事で具体的に高めていく、その摸索からスタートしました。
また、市内に在勤するリハ職に呼びかけ、リハ職の地域連絡会を立ち上げました。これは、利用者様の状態に応じて各リハ事業所の強みをケアマネジャーに活かしてもらえる導入口になればという思いと共に、患者様や利用者様のステージやニーズに応じたリハビリを地域でシームレスに提供するための挑戦でもありました。
こうした活動を繰り広げる中で、有志たちが自然と集い、多職種によるプロジェクトチームが立ち上がり、市全体に働きかけていこうという動きが始まりました。このような形で多職種が密に連携し行政・地域住民を巻き込んでいこうとする動きは、きっと他の自治体ではあまり例をみないでしょうし、今でも、私の中で特に誇らしい経験・財産となっています。
一方、地域の基幹病院の理解を得たり、管理栄養士など自立支援に不可欠な専門職などからの参加を実現することが非常に難しく、大きな壁を何度も感じました。互助をベースにしたシステムを地域全体に浸透させることは、どの自治体も困難を極めるだろうと思います。
課題は山積していますが、地域に根差すリハビリを提供していくためには、地域で働く同職種・多職種と一人でも多くしっかり顔の見える関係を構築すること、そしてできれば行政関係者とも連携しながら、その地域に求められる課題について話し合う機会を持つことが重要なのだろうと思っています。
ところで、冒頭のアルツハイマー病の発症の可能性を確認するテスト(友人からもらいましたが)ですが...みなさん、ラクダは見つかったでしょうか。
ちなみに...私は発見できました!
有元