こんにちは。リハビリテーション科の万木です!
生まれて数十年、初めて歩けるようになってから現在にいたるまで、莫大な歩数を歩いていますが、「正しい歩き方」を教わった経験のある人は少ないのではないでしょうか。毎日行う大切な歩行なのに、なぜかみんな我流。それだけに、歩き方にはその人のからだのクセや心の中がよく表れています。正しい、美しい歩き方とはいったいどのような動きなのでしょうか。
今日は「歩行」についてお話しますね。
実は・・・2,000~3,000歩で正しい歩行をからだが記憶する!
「歩くとき、"次は右足を出そう"などと考える人はいませんね。みなさん無意識にからだが反応しているはずです。つまり歩行は"反射"運動なのです。たとえば、右足をケガした人が、1か月後にケガが治っても、右足を引きずった歩き方のまま、なんてことがあります。これは、からだが歩き方を覚えてしまったから起きることなんです。
からだが歩き方を覚える基準は2,000~3,000歩と言われています。2,000~3,000歩連続で歩くとからだが記憶するんです。これはきれいな歩き方にも応用できるので、正しく2,000歩歩ければ、しめたものですよね。
一生、きれいな歩行が自分のものになるということなのです。ただ、"歩き方は反射運動"と申し上げたように、考え始めた途端わからなくなるのも歩行の特徴。歩き方を変える最初の2,000歩には、少々がんばりが必要かもしれません
僕もリハビリで歩行訓練をしている時、患者様か"あれ? 今までどうやって歩いていたんだっけ"とおっしゃるのをよく耳にします。意識すればするほど不自然な動きに。ここでめげずに、2,000歩の壁を乗り越えて、美しい歩行、新しい自分に出会いたいですね!
・美しいウォーキングを身に着けるために意識すべきは、後ろ足!
「自分がどんな歩き姿なのかを知ることが大事です。ショーウィンドウでも、家の鏡でも、自分の歩いている姿を客観的に見てみましょう。
■歩き始めは?
下のイラストのように、まっすぐ立ち、上半身を前傾姿勢に。前に傾く限界地点で足を出し歩き始める。
■肩は?
水平に保ち、左右に揺れないように。
■足は?
足を前に出そうという意識をなくす。歩くときは、後ろ足に意識を集中。後ろ足のかかとが地に着いていられるぎりぎりまで後ろ足を伸ばした状態をキープし、限界地点で力を抜き、膝を曲げる。同時に軸足移動。
■腰は?
後ろ足を伸ばしながらも腰は後ろに引かないよう、腰は前へ出していくイメージ。
■足の指先は?
後ろ足を伸ばしている間は、後ろ足のつま先は地面をつかんだ状態。
後ろ足の力を抜いたときには、地面をつかんだ指を伸ばす。
■目線は?
4~5m先に視線を向ける。
いかがでしょうか。実際に練習してみて、ふだん何気なく行っているウォーキングがこんなに難しかったとは!と歩行の奥深さを感じます。スローモーションで練習しながら、繰り返し、からだが覚えるよう積み重ねてください。
余談ですが、僕の歩き方は北斗の拳のケンシロウみたいらしいです。笑